寒くなると欠かせないのがニット。いざ、お気に入りのニットを着ようと思ったら、縮んでいたり、毛玉になっていたり、虫食いで穴が開いていたり。

そんな悲しいことになってしまっていた経験はありませんか?今回はそんな事のないようウールセーターの上手な洗濯やお手入れの方法、保管の方法をご紹介していきます!

大切なウールセーターを長持ちさせる日頃のお手入れ方法は?

お手入れ方法

ウールは、綿や麻などの植物繊維と違ってとてもデリケートな動物の毛です。そこでまずウールの特徴を知っておきましょう。

 

まずウール=羊毛です。

 

一言で羊毛といっても、羊の種類は3,000以上!またアルパカやモヘア、カシミヤなどもラベル上は「ウール」と表現されています。

 

毛糸ができる簡単な流れは、天然素材の動物の毛を刈り取る→キレイにクリーニング→染色→紡ぐ。こんは感じです。

 

ウールと言えばやはり「暖かい」イメージが強いですが、他の特徴も確認してみましょう!

メリット
◆天然素材で肌に優しい。
◆熱伝導率が低いため冬は暖かい。
◆吸湿性に優れているため夏は涼しい。(蒸れたりしない)
◆染色性が良く色落ちしにくい。
◆型くずれになりにくく、しわになりにくい。(弾力性が高いため蒸気を当てる簡単に戻る)
◆水を弾き、静電気もおきにくい。(汚れにくい)
◆抗菌、消臭効果がある。
デメリット
◆天然素材なので虫食いの心配がある。
◆水洗いすると縮む。(何回も洗うと硬くフェルト状になるため、基本水洗いNG)
◆バッグなどが擦れたり多少の摩擦で毛玉が出来やすい。
◆アクリルなど化繊に比べお値段が高い。

ウールは暖かいだけでは無く、抗菌と消臭効果、汚れにくいという特徴があります!そして冬の素材のイメージが強いウール、実は夏のスーツにも使われるほど、吸湿性に優れているため年中活躍する素材とも言えます。

 

 

しかし水洗いで縮んでしまったり、虫食いの心配があるデリケートな素材でもあるため、日頃のお手入れが重要となります!(お値段も高いですしね)

 

ウールセーターを1日楽しんだ後のお手入れ方法

ウールニットは毎回は洗濯しないという人がほとんどですよね。実際ウールは汚れにくい性質もあり、また洗濯はウールにとってかなりのダメージになるので特に汚れていない場合は洗濯する必要はありません!

 

ただ一日着ていたセーターを脱いですぐにタンスにしまうのは絶対にNG!汗などの湿気を吸っているので飛ばしてからしまうようにしましょう。

 

洗濯をしない時のお手入れ方法

  • 肩の部分に厚みのあるハンガーに吊るす
  • ニット専用のブラシをかける
  • 数時間たったら畳んでタンスなどにしまう

※吊しっぱなしはNG!伸びて型崩れの原因になります。

 

 

ブラッシングの注意点

  • 埃を落とすだけでなくシミや汚れがあるかもチェック
  • でき始めて少し絡んできた毛玉も優しくほぐす

 

ブラシの素材は化繊ではなく、同じく天然素材のものがニットには優しいです。ニット用のブラシとして豚の毛もありますが、一番おすすめなのが馬の毛です!

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またここでしっかり毛をほぐしておけば大きな毛玉になるのが防げます。でも大きな毛玉を見つけてもハサミでカットはNG!これは最終手段です。安易にハサミでカットすると穴が開いてしまう原因になります。

 

どうしてもブラッシングで取れない場合は、櫛を使っていろんな方向から優しくとかしてください。それで大抵取れるはず!

 

またブラシがないよという場合は、食器用スポンジを使う方法もあります。スポンジは裏表で硬さが異なると思いますが、まずは柔らかいほうから始めてください。それでもダメなときは固いところで優しくこすってください。これも無理やり行うとウールにダメージが残るため、絶対にしないでください。

 

 

こんな時どうしたらいいの?応急処置方法まとめ

次にウールニットを着ていて気になるお手入れ方法について、具体的にご紹介していきます!

 

匂いがついた時の正しいお手入れ方法

外食に行きタバコ等の匂いが取れない場合がありますよね!その場合は、まず風通しの良いところに1日など少し長めに吊るし、匂いを消してください。ただし消臭スプレーはシミなどの原因になるのであまりオススメはできません。

袖口や裾が伸びしまった時の直し方

伸びた口をぎゅっと縮めてスチームアイロンを当て湿らせながら目を整えて行きます。それを何回か繰り返していくと少しずつ縮まってきますが、自分で行うと目の粗さにムラが出やすいです。お気に入りのニットが伸びてしまった場合はやはりクリーニングに出し「プロ」に相談するのが近道!

縮んでしまったときの直し方

丈が縮んでしまったときも、スチームアイロンを使います。蒸気をあてながら、とにかく丁寧に少しずつ引っ張ってみてください。これを何度か繰り返します。伸びと同様、限度がありますが少し伸びますが、どうしてもの場合はやはり「プロ」に相談しましょう!

 

目をひっかけて糸が出てしまった場合の直し方?

糸が出てしまったからと言って絶対にハサミでは切らないでください!かぎ針(100円ショップで売ってます)を裏から入れて、出てしまった糸を引っかけて裏に引き込んでください。そうしてから隣の目を次々と少しずつひっぱって馴らしていくと分からなくなります。

 

少し面倒ですが、ウールニットは正しいお手入れをすれば長く楽しめるもの。丁寧にお手入れをして行きましょう!

シーズン終わりの正しいお手入れ方法は?

暖かくなってきたらニットの出番は終わりです。きれいに洗濯をして保管をする準備をしましょう。ただし自宅で洗えそうにないもの、絶対に失敗したくないお気に入りのものは無理をしないでクリーニングに出しましょう!

まず洗濯タグを確認し、自宅洗える場合は以下の手順で洗濯をしてみましょう!自宅で洗濯するには、手洗いと洗濯機、2つの方法があります。手洗いもやってみると意外と簡単なので、ぜひ挑戦してみてくださいね。

ウールニットは特に縮みやすいため手洗いが理想的です。事前準備としてシミなどがないか確認し、あった場合はシミ取りをしてから洗濯をします。(シミ取り法は後ほど)

 

手洗いをする場合

まずは手洗いをする時に用意するものと手順を確認して行きましょう。

用意するもの

  • おしゃれ着洗い用洗剤
  • 柔軟剤
  • 洗面器
  • 30度位のお湯
 
  • 高温のお湯は色落ちや縮みの原因になるので、温度は30度くらいにしましょう。
  • 色物と白いニットは色移りを避けるため、分けて洗う。

ウールニットの手洗い方法

  1. 洗剤の容器に記載されている使用法通りに洗剤液を作る
  2. 洗剤液に浸して20~30回、押し洗い。
  3. 3回以上お湯を替えながら押し洗いですすぎをする。(できれば流水でしっかりすすぐ。押して絞り、絶対にねじって絞らない事!)
  4. 洗面器に柔軟剤を溶かしてセーター5分ほど浸けておく。
  5. 柔軟剤を洗い流さずに脱水。(洗濯機で30秒位脱水すると乾きが早い)
  6. 形を整えて水平に陰干しします。

 

 平らに干せない時はハンガーを2本用意しましょう!1本はなるべく肩の厚いものがおすすめです。そちらにセーターをかけて、もう1本には裾と袖をかけてください。ダラーっと下げて引っ張られるのが少し軽減されます。

 

洗濯機で洗う場合

次に洗濯機でウールニットを洗濯する際に用意するものと手順はこちら!

 

用意するもの

  • おしゃれ着洗い用洗剤
  • 柔軟剤
  • 洗濯ネット(セーターを折りたたんでちょうど入るくらいの大きさ)
  • 洗濯タグに温度が記入してある場合はなるべくその温度のお湯。

 

ウールニットの洗濯機での洗濯方法

  1. セーターを裏返して軽くたたんでネットに入れる。(ネットに入れる際は、汚れている場合はその面を表に、また裏返しにする事で擦れで毛玉の発生を防ぐことができます)
  2. 水又はお湯に中性洗剤を入れ全体的に良く溶かす。(柔軟剤は柔軟剤用ポケットに)
  3. 洗濯機にセーターを入れる。
  4. 洗濯機の「ドライコース」 「ソフトコース」 「おうちクリーニングコース」などの弱水流で洗えるコースで洗濯開始。
  5. 形を整えて水平に平干し。(手洗いの時と同じ)
  6. 完全に乾いたらスチームアイロンで目を整える。
  7. スチームの水分をよく飛ばしたら畳んでしまう。

 

 アイロンは生地から2cmくらい離した状態でスチームを全体にかけます。温かいうちに縦糸横糸を軽く引っ張るようにして目を整えてください。ふっくらと仕上がります。直接当ててしまうと、ぺったんこになったり、てかってしまったりする場合があるので必ず離してかけてください。

 

自宅でできるシミ抜き方法

最後に簡単なシミ抜きの方法をご紹介します。ここでのポイントはシミは出来るだけ早く手当すること。ご紹介するのはあくまで応急処置です。少しやってみてシミが薄くならないようでしたら必ずクリーニングに出しましょう!

 洋服につくシミなので、食物という事を前提にしています。そのため使う洗剤は食器用洗剤を使用します。

 

用意するもの

  • 綺麗なタオル(新品という意味ではなく洗濯して汚れのないタオル。汚れがついても良いもの。)
  • 台所用中性洗剤
  • 歯ブラシ(使い古しで大丈夫です。)

 

シミ抜きの手順

  1. ウールセータのシミがある部分の下にタオルを敷く。(シミの成分をタオルに移すため)
  2. 適量の台所用中性洗剤を小皿に注く。
  3. 台所用中性洗剤を使い古しの歯ブラシにつける。
  4. やさしくシミをたたく。(生地が傷むので力の入れ過ぎはNG)
  5. たたき出したシミが下に敷いたタオルに移す。
  6. タオルをずらしながらシミが薄くなるまで繰り返す。
  7. かなり薄くなってきたら、お洗濯!

 

丁寧なお手入れをしてまた来シーズンも安心して着られるようにしておきましょう。

来年もウールニットを楽しむために。保管方法まとめ!

保管方法

最後にウールセーターの正しい保管方法について紹介します。寒くなったのでセーターを着ようと出してみたところ虫食い穴を見つけた。なんていう事がありませんか?ウールは特に虫に狙われやすいので注意が必要!収納前のきちんとしたケアが重要です。

 

しまい洗いは5月のGW前までに!

ウールニットはじめ冬物衣類のしまい洗いは、害虫やカビなどの被害にあわないように5月のゴールデンウィークまでに済ませてください。というのも害虫の成虫が卵を産み始める前に収納してしまわないと卵も一緒に収納してしまう危険性があるから!その卵が幼虫になり衣類を餌にして育ちます。ウール以外の素材でも食べこぼしなどの汚れがあると虫食いの被害にあってしまいます。

 

何度も着た衣類はもちろんですが、1度しか着ていないからと言って洗わないなんて絶対NG!必ず洗濯してから収納してください。また食べこぼしや汗などの汚れがついている場合は、おしゃれ着用洗剤や酸素系の液体漂白剤などの原液を、黄ばみや食べこぼしに直接塗ってから洗濯しきちんとケアしましょう。

 

また害虫は湿気を好むので湿度の低いカラッと晴れた日に洗濯をして、しっかり乾かすことがポイント!ウールセーターがしっかり綺麗になったら、収納ケースにしまいます。

 

収納方法は?

衣類はそっと丸めて立てに収納しておくと、何が入っているが分かりやすくて便利です。積み重ねて収納すると何が入っているか分かりづらいし、上に置いた衣類に、もし害虫が付着していた場合、下の方に潜っていくので下の衣類も被害にあってしまう可能性があります。
衣類が収納出来たら防虫剤を必ず入れてください。防虫剤の使い方は衣類の一番上に入れましょう。防虫剤の成分は下に沈んでいく性質があるので、一番上に入れておけば全体にいきわたります。

 

最近だと防虫剤といっても沢山種類があり、クローゼット用、タンスの引き出し用、衣装ケース用など、用途別に売られています!一個一個成分の量などが違うので用途に合った防虫剤を選んで入れるようにしてくださいね。また防虫剤の個数は、使用方法に記載されている数を入れましょう。そして最後にしっかりと蓋を締めてください。

 

無臭タイプのピレスロイド系の防虫剤は、他のどの防虫剤と併用しても問題ありませんが、 「パラジクロルベンゼン」や「ナフタリン」「しょうのう」などの薬剤を使っている製品は、混ぜて使用すると、溶けて垂れてきて衣類にシミができてしまうことがあるので一緒に入れないでください。防虫剤も混ぜたら危険!と思っていればいいですね。

 

圧縮袋に収納した場合は空気が少なくなって防虫剤の成分が拡散出来なくなります。圧縮袋用の脱酸素剤が売られているのでそれを入れてください。圧縮したからといっても完全に酸素はなくなったわけではないので油断しないでください。

 

また最後になりましたが、除湿剤をいれておくと防カビ対策も出来て万全です。

 

ご自身で洗濯するのが難しい場合は、宅配クリーニングという手段もあります。

お役に立てればうれしいです。最後までお読み頂きましてありがとうございました。

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